コミュニケーションも看護師には必要

看護師が患者と接する際には、どんな視点に立つかが重要なポイントです。医療における主体は患者であり、医療従事者は、患者の回復をサポートする補助者なのです。したがって、患者の傷病を治してやるという上から目線ではなく、対等な立場で治療のサポートをすることが大切です。こうした視点に立てれば、医師が決めた治療法を押し付けるのではなく、治癒に向けて努力する患者を応援するという姿勢が表れてくるでしょう。

患者とコミュニケーションを図る際にも、患者の立場に立って提案や助言をできるようになります。治療を支援するという態度は、コミュニケーションを取るうちに患者にも伝わるので、自然と患者と看護師の間に信頼関係が育まれるでしょう。看護師は患者を指導する上官ではないし、過度にへりくだる必要もありません。また、患者が傷病で苦しんでいるからといって、表情に出してしまってはいけません。常に微笑みを絶やさず、こまめに患者とコミュニケーションを図ることが重要なのです。

こうしたコミュニケーションは、副次的な業務であり、看護師は医療行為さえ適切に行えれば十分だという意見もあるかもしれません。しかし、高圧的な態度でコミュニケーションが苦手な看護師は患者から信頼されず、症状の詳細な点について患者が報告することも減り、重大な病変が見逃されるおそれがあります。つまり、看護師にとって看護技術と同じようにコミュニケーションスキルは必須なのです。コミュニケーションが苦手という方は、こちらの看護技術向上委員会にヒントが書かれていたので読んでおくと良いでしょう。